行きすぎた日本の処分ゼロ運動家と寄付者に贈る
DR.JEFFからの大切なメッセージ


譲渡活動・ため込み収容・レスキュー活動では
犬猫の個体数過剰状態から抜け出せない!
We cannot adopt, warehouse or rescue our way out of dog & cat overpopulation!
獣医師 ジェフ ヤング(米国コロラド州)

> 元記事はこちら(英語サイト)
私はジェフ・ヤングといいます。25年以上獣医師をしています。
数え切れないほどの動物愛護団体で役員を、そして(行政の)動物管理局員をしました。そして世界中のコンパニオンアニマル(愛護動物)の過剰繁殖問題について、考えを語ったり議論に参加しています。過去20年の間に180,000件の手術を手がけ、 ブラチスラヴァ (スロバキア) とメリダ (メキシコ) にトレーニングを行う総合病院を建設しました。350人を超す獣医師に効率が良く安全な外科手術を指導してきました。
One simple goal
1つの単純明快な目標
大学を卒業したその時から私には1つの単純明快な目標がありました。世界中の望まれない犬や猫の頭数を減らすことです。私は獣医師ですから、低価格の不妊去勢手術を推進すれば簡単に目的を達成できると確信していました。
過去数十年の間に、North Shore Animal League傘下の教育プログラムである「Spay USA」や「モンタナ不妊去勢タスクフォース」が運営する移動型クリニック(モービルクリニック)、ラスベガスのAnimal Foundation of Nevadaが行った大規模な不妊去勢クリニックの建設によって、犬猫の過剰な繁殖状態はかなり緩和されてきました。
Surplus waste
余った不要物
しかし毎年、世界中で3億もの犬やほぼ同数の猫が殺されます。捕獲されて肉、毛皮、実験用に売られるもの、路上で毒殺されるもの、子犬や子猫のまま水死させられるもの、静かに手際よく人目につかないようにシェルターで殺処分されるもの。ただ単に、「余った不要物」だという理由で。
先進国における犬や猫の死因のトップは未だに安楽死です。巨大な動物愛護団体は、動物の保護施設、高額な設備、肥大化した給料などにあまりにも多額の資金を無駄遣いしています。彼らは営利目的の企業のような経営をする傾向があるのです。
規模の小さい団体は、「動物をかき集める活動」に走る傾向があり、しばしば経営は苦しく自己満足なトップによる組織であることがよくあります。
More expensive care for ever-fewer pets
少なくなるペット - 高額なケアへ
獣医師たちは犬猫の過剰繁殖問題は専門家が取り組むべきものだと考えない傾向があります。個人経営の獣医師の大半は、地域社会のコンパニオンアニマルを診察することが年々少なくなり、もっと複雑で難易度の高い高額な医療を、徐々に数が減少している裕福な飼い主に提供しています。
獣医療の技術水準が上がり、医療知識が豊富になるにつれて、こうした進歩の恩恵を受ける動物の数は減ったというのが現実です。
動物関連の法律と社会の認識、特にコンパニオンアニマルに関するものが変わってきたという議論がなされることはほとんどありません。1970年頃の概算報告によれば、米国では毎年1,300〜2,300万匹前後の犬猫が殺処分されていました。現在のシェルターでの犠牲者は、データの記録を義務化する州が増え、見積もりの精度が上がってきたため250〜270万匹と見積もられています。
Exaggerated claims
大げさな主張
しかし、安楽死数はそもそもシェルターに収容された動物がどうであるかの結果を説明するだけです。シェルターが安楽死の合計を低くし、「生きていったん施設外に放出される率LRR(Live Release Rate)」を高くしようと必死になれば、理由はどうであれ、簡単に譲渡できないかもしれない動物を放棄したい、或いは放棄する必要のある人にとってシェルターはどんどんアクセスできないものになってきています。
動物愛護団体は、犬猫の過剰な繁殖状態、安楽死のこと、シェルターについて私たちが安心するよう机上の言葉や数字遊びをしています。多くの場合、保護施設の数はいまだに数十年前とほとんど変わらず、施設は見せかけだけが素晴らしいのです。
動物愛護組織は、実際にしている以上のことを行ってきた、もしくは行っているように見せかけています。自分たちの努力によって、250-270万匹の殺処分で済んだと自慢げに話します。多くが、自分たちは譲渡不可能な動物だけを安楽死させると自慢げに話し、処分ゼロ(No-Kill)を主張しさえします。彼らの言う「譲渡不可能」とは、脚の骨折、皮膚糸状菌症(リングワーム)、上気道疾患、食物が原因の尿路疾患、その他簡単に治療できる疾患です。その一方で※人道的なケアを本当に必要とする動物を受け入れないようにするのです。
※解説
事実上の引き取り拒否に近い状態。このような門戸を閉めて受け入れ制限する経営スタイルを「リミテッド・アドミッション」という。この種の団体が「No-Kill」を謳い、仕組みを知らない市民から大金を集める傾向にある。ジェフ・ヤング獣医師は国内外でこういう組織を数多く見てきたと証言している。
Great marketing
優れたマーケティング
動物保護を行う巨大組織は、海老で鯛を釣るため誇大な宣伝活動を行ってきました。コンパニオンアニマルの窮状を心から気にかけているかのように装いながら富を築き、誠実なケアをすることはどんどん少なくなっています。
私は皆さんにお願いしたい。社会を本当に良くするために行動するよう、こうした巨大組織に要求することを。
First, you must understand that you cannot, and I repeat, cannot adopt, warehouse or rescue your way out of overpopulation!
まず皆さんは、譲渡・ため込み収容・レスキュー活動しても過剰繁殖問題からは抜け出せないことを理解しなければなりません。繰り返します。出来ないのです!
Large shelters are a waste of money
大きなシェルターは資金の無駄遣い
普通の人なら、レンガと漆喰のような実体のあるもの「素敵な新築施設」に寄付をすれば協力できると考えてしまいます。
真実を言えば、大きなシェルターは単に資金の無駄使いです。良い面が何もないと主張することはできませんが、彼らが「処分する/処分しない」にかかわらず、社会が見返りとして得られるものを考えれば費用対効果が低いのです。
私は個体数管理の手段として決して安楽死を受け入れてはいけないと主張します。それが解決策でないのは明白だからです。
Warehousing
施設にため込み収容するということ
誤解しないくださいよ。多くの動物にとって死よりもずっと悪いこともあります。例えば、管理の不十分なノーキルシェルターに収容されるのは、死ぬよりはるかに悪い可能性があります!
良いノーキルシェルターの存在を聞きました。-ANIMALS 24-7の編集陣は良い面を見つけて、多くが機能していることを証明していますが、私自身はあからさまに動物を虐待、いくらよくても飼育を放棄していないノーキルシェルターを今まで見たことがありません。そうです。そこには何百万ドルもの価値だという大規模なシェルターも含まれます。
最も偽善的だと分かったのは、巨大な動物愛護団体です。
Primary focus must be on s/n
まず専念すべきは不妊去勢手術
過激な言い方をしますと、大げさな表現ではなく、愛護団体は収容した動物をすべて公の動物管理センターへ運び込むか、新規の動物の引き取り拒否をしている可能性があります。
そのせいで地域の役人や地域社会が個体数の過剰問題への対処を余儀なくされています。動物愛護団体が、もし本気でこの問題を解決しようとするのなら、まず初めに重点的に取り組むべきは不妊去勢手術です。たとえ無料で行わなければならないとしても、獣医師たちを憤慨させるとしても。
次に専念すべきは教育です。教育とは、学校に働きかけることだけではなく、行動治療相談やしつけ講座を一般向けに提供することを意味します。
No-Kill shelters are the most inhumane trend
ノーキルシェルターは、最も愛護に反する潮流
もう一度言いますが、シェルター収容や譲渡では個体数過剰問題を決して解決できません。ノーキルシェルターは動物福祉の観点でいえば、人道的というものからかけ離れた方向性です。シェルターがノーキルシェルターを目指す傾向は、多頭飼育、動物のかき集め、病気や死にかけの動物の収容を正常なこととして広めます。苦しみを終わらせるための安楽死を必要とする動物を眠らすことさえ忌み嫌われます。
飼育放棄やケアを必要とする動物を拒否しながらノーキルシェルターを運営しても、動物を愛しているとは言えません。動物という概念が好き、「ノーキル」であることで約束されたお金が好き、またそれらの考えと動物を大いに犠牲にするという考えの両方、もしくはどちらか一方を好んでいるということを意味しているのです。
冗談はやめてほしいですね ! 唯一犠牲になるのが、「ケア」をしてもらうべき動物や、拒否されてしまう動物の、身体的・精神的、ふつうの動物福祉だなんて。
Less & less emphasis on facts & results
ますます軽んじられる事実や結果
実に悲しいのは、こうした問題の原因を解明している国が他にたくさんあるというのに、私たちアメリカ人は地上で最も裕福な国に暮らしているということです。
アメリカではマーケティングばかりが取りざたされて、事実や結果をますます軽んじる考え方が広がっています。
もう一度言いますが、死んだ方がずっとましだということがたくさんあります。ですから、あなたが資金を投資する時は、見返りに何を得られるのかをしっかり見据えてください。問題ばかりを増やし、解決に貢献しない人の方がはるかに多いのです。
私は概ね社会を非難するつもりはありませんが、いわゆる動物福祉運動や獣医師については、彼らはアメリカの動物福祉の真の見張り役であるべきなので非難されて当然だと考えています。
Stop giving blindly
何も考えずに寄付しないで
彼ら、私たち、私、皆さんは情けないことにこの任務に失敗してきました。しかし、皆さんが正しい道を選び直すのに遅すぎることはありません。それには、努力、実行力、正しい決断をしたいという意志、一歩も引かず踏みとどまる姿勢が求められます。
この記事を読む皆さんには、変化を起こし、闇雲に寄付するのをやめるよう強く求めます。条件を付け、本当の思いやりを持って寄付しましょう。真の変化をもたらすために寄付をし、動物を取り巻くコミュニティでのマーケティングに賛同しないようにしましょう。
覚えておいてください。レンガや漆喰(箱物のこと)は魅力的ですが、長い目でみれば私たちの問題を本当に解決するための何の役にも立ちません。また、ただ生きているというのは、(QOL)生活の質を意味するのではないことを忘れないでください。
Vets contribute to suffering
獣医師たちが苦しみの一因となっている
コンパニオンアニマルの地位(価値)が不十分だ…と極端に厳しい意見を言ったり、もっとずっと低価格で簡単に行える治療に3,000~5,000ドルを当たり前のように繰り返し請求したりする獣医師たちの無能さ加減が、コンパニオンアニマルの苦しみの一因となっています。
そう、アメリカ的なやり方というわけです。私たちは市場の力の虜です。獣医師たちはそのやり方を「力づくで」変えさせられることはありません ! いや、もっというなら獣医師たちは愛すべきお客様への「標準的な処置」のレベルを下げたくないのです。これはうまいこと言えました !
さて、もし外科手術(体内に入った異物を探す手術)に3,000ドル払う余裕がなかったら、あなたはペットを安楽死しますか?
いったい良識や思いやりはどこへ行ってしまったのでしょうか? 獣医師たちはあなたに低価格の代替案を教えるつもりはありません。低賃金で働く二人子持ちのシングルマザーのために値段を下げてやるつもりなどないのです。
It’s better just to kill your pet and get a new one
さっさと処分して新しいペットを手に入れる?
あなたのペットは獣医師たちにとってたいへんな価値があり、彼らの医療レベルはとても高いからと言って、さっさと処分して新しいペットを手に入れる方がいいのでしょうか?
結局のところ、二束三文で新しいペットは手に入ります。
動物を飼うべきではない人もいると言えます。しかし(現実には)飼っています。たぶん彼らは自分の子供も持つべきではないのかもしれません。
People and dogs/cats have evolved together
人と犬猫は共に進化してきた
人と犬猫は何千年もかけて一緒に進化してきたのが現実です。コンパニオンアニマルを持つことには身体的にも精神的にも多くのメリットがあります。私はイエローラブと一緒に3人の子どもを育ててきましたが、犬は完全なる家族の一員だったと言えます。
私はいつも人間と動物の区別をしていました。しかし、すべての人間が私の飼う犬よりも優れていると言うことはできません。私の犬は、私自身と私の中にある小さな世界に、世界中の誰よりもたくさんのものを与えてくれました。
私たちは「うちのペット」と、まるで家族の一員のように呼ぶようになってきました。そう、ペットは私たちの小さな世界にとって大変大切なものなのです。ですから、貧しい人、債務を負った人、不運な境遇にある人に3,000ドル払いますか、それとも家族を眠らせますかと告げるのは、倫理的にも道徳的にも思いやりあふれる選択肢と言えません。
Old, fat white guys
年配の肥えた白人たち
獣医師業界で唯一見える光は、最近は男性よりも女性の卒業生が多く、もちろん三つ揃いのスーツを着た年配の肥えた白人にとっては頭の痛いことでしょう。これらの女性たちは実際に業界に思いやりあふれた変革をするよう要求しています。
多くの獣医師たちは両方を望んでいて、自分たちの時間や技術が高い価値のあるものだと考えたいし、あなたのコンパニオンアニマルが何千ドルもの投資の価値があると考えたい、それなのに驚くなかれ、あなたに十分なお金が無ければ、動物の価値が事実上ゼロに変化してしまうのです。
明らかにこの点からいうと、価値と言うものはどの動物にも固有のものではなく、もっぱら飼い主の見解や経済力に基づいたものなのです。
All companion animals have true intrinsic value
全てのコンパニオンアニマルに固有の価値がある
いつ手に負えない状況が本当に手に負えない状況になるのか、私にはこれまではっきりした考えはありませんでした。私の心の中には、すべてのコンパニオンアニマルには固有の価値があるという思いがこれまでずっとありました。
動物を「愛している」から、もしくは、概して動物福祉について、経済力とは関係になく同等に考えているからほとんどの獣医師が獣医師になったのだと信じる人がいたら、悲しいかな…それはあなたの間違った解釈だと伝えておきたい。
そうは言っても、一人の獣医師として言えるのは、他の人々を助けるには、まず自分の事業が成功していなければならないということです。もちろん、お金は人生で欠かせない要素です。医療費、教育費、事業の運転資金です。
If animals were dying at the rate we euthanize them
動物が安楽死と同じ割合で死んでいるとしたら
残念なことに、獣医学の道ほどにビジネスの分野でもしっかり訓練された獣医師はほとんどいません。
もし動物が(病気などが原因で)安楽死と同じ割合で死んでいっているとしたら、獣医師たちは巨額の資金と総力を投じて問題解決のための調査に乗り出すでしょう。
しかし、獣医師たちはコンパニオンアニマルの過剰な数問題を「社会の問題だ」と捉えているので見てみぬふりをするのです。
この社会の問題の解決を図るのに私たち獣医師は適任だと私は考えています。さらに、私たち獣医師が専門家としてコンパニオンアニマルの過剰な総数問題に取り組めば、専門家としての社会的な地位が上がると私は考えています。
Spend more on s/n & education than on sheltering
保護収容よりも不妊去勢手術と教育に投資を
個体数の過剰繁殖問題に関する議論において、私の活動が国内外で認識されるようになった今、世界中の望まれないコンパニオンアニマルの数を減らすという本気の取り組みを、私は決して投げ出さないと誓います。
私は個体数コントロールの手段としての安楽死を決して認めていません。どのような形であっても、「処分ゼロシェルター」を支持しません。動物収容にかかる以上の資金を不妊去勢手術や教育に使っていないのであれば、殺処分をするシェルターも支持することはありません。
譲渡、収容し、ため込み、殺処分、どれも個体数の過剰問題の解決にはなりませんが、どう行動するか、誰を支持するか、どのように支援するかをよく吟味し変えることは可能です。もし、獣医師たちがこの社会において動物たちの価値をもっと認めさせたいと心から願うのなら、多すぎる個体数を減らすことが実現への近道だと考えます。
Basic economics
簡単な経済学
供給が減り、需要が今と変わらないなら価値そのものが上がります。いたって簡単な経済学です。
だから、もし愛護的・倫理的な理由から不妊去勢手術をしないのなら、それは明らかに長期的な金儲けをしていると言えるのです。
私は、安全で、短時間で済み、高効率で不妊去勢手術ができるように世界中の獣医師の技術訓練をこれからも続けていきます。私は他国にトレーニングセンターとして使えるクリニックを建設していきます。私の元へやって来る全てのコンパニオンアニマルの不妊去勢手術を続けていきます。
私たちは伴侶動物の仲間たちと、道徳的・倫理的な契約を結んでいるのです。
ですから、私たちはこの契約を尊重して守らければならないのです !
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本記事の情報はアニマルレスキューシステム基金の報告書(2017年2月発行号)でもご覧いただけます。さらなる情報拡散の為にも、必要な方は下記までご連絡くださいませ。
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